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<研究主題>学習の自立と共生

1.研究主題について

子どもたちの取り巻く社会は急激に変化し、国際化、情報化が進展し、環境問題、少子・高齢化などの問題も深刻であり、様々な問題に直面している。それにともない児童を取り巻く環境も悪化し、いじめや不登校、校内暴力、犯罪の低年齢化など社会問題にもなってきている。

こうした子どもたちをめぐる様々な社会問題は、いうならば、かかわり合う対象となる環境・文化・他者、さらには自分自身との関係性の歪みから生じた問題といえる。こうした関係性の歪みは、訓練したり競争したりして改善されるものではない。学校とは、異なる人間(自分と他者)が集い、それぞれがお互いに影響し合いながら、ともに学びを広げ深めていく場である。こうした、関係性の中で、自分自身を見つめ直し、自らの人格を形成していく場でもある。そうすると、学校の教育活動の中核である授業は、なによりも子どもたちが環境・文化・他者、さらには自分自身と主体的にかかわり合い、能動的に学ぶ「場」そのものでなくてはならない。

私たちは、こうした考え方に基づいて、現在そして今後も求められている社会は、「共生社会」であると考える。「共生社会」とは、一人ひとりの人間が自分のよさを生かしながら、環境や文化、他者と主体的によりよくかかわることによって、互いに協調して生きていく社会であると考える。そこで、本校においても「共生社会」の実現を目指し、「学習の自立と共生」を研究主題として設定し、生活科・社会科において授業研究に取り組むこととした。

研究主題に「共生」の言葉を加えたことにより、「かかわり」を重視した取り組みが進められるようになってきたが、今年度は、昨年度の実践のまとめを生かしながら、教育課程全体で「学習の自立と共生」に向かい知の総合化が一層進むように取り組んできた。「共生」の内容としては、社会生活での共生・自然との共生・人(仲間)との共生をより意識し、「福祉」「環境」「人」などからも社会を見つめ、考え、学習したことを学習や生活の中に生かしていけるように考えている。そして、「共生」を接点として、総合的な学習「みなみっ子」との関連(「みなみっ子」がテーマとする「夢、希望(創造)、愛」には、人・もの・こととのかかわりが根底にある。)も意識しながら授業実践に取り組んできた。

2.「2+4年間」の育ち

研究主題「学習の自立と共生」の下に、生活科の2年間と社会科の4年間の長い年月の中で確かな力を育てていきたいと考えている。
指導者としての願いを子どもの姿の中に求めていこうとする考えに立つものである。
次に示したものは、各学年ごとに設定している「目指す子どもの姿」の柱であり、この柱が6年間の指導の一貫を支える軸となっている。

研究図1

 

3.研究全体構造図

研究図2

4.「自立と共生」を育てる学習の条件

(1)社会的事象の見方・考え方を身に付けることができるようにする。

社会的事象の見方・考え方を身に付けることができるようにするとは、一人ひとりの子どもが学習活動によって獲得した知識が構造化・累積化されていくことを目指すものである。
単なる知識や情報の量ではなく、知識が関連化・構造化され、概念付けられ、価値あるものと判断されて初めて条件が充たされるといえる。こうした学習の繰り返しの中で子どもは自ら学び自ら考えるようになり確かな力を身に付けていくと考える。そのためには、学習活動のまとまり(単元)ごとの活動の内容、出会う要素、知識となり得るものや相互の関係について予め教師は吟味して作成する必要がある。教師の構造化された学びの計画のもとに子どもは授業を進め、次第に見方や考え方を構築していく。

また、大まかな構想は、子どもがどのように学ぶか予測が立ち、様々な表れに対応することが可能となる。しかし、教師の抱いた構造に子どもをあてはめることにならないように配慮し、その子なりの学びの姿をみとり、長い目で育てる必要がある。

教材化を図る際、研究教科以外の教科等も大切にしたい。本校では、他の教科・領域・総合的な学習の時間(みなみっ子タイム)についても視野を広げ、単元での学習を生かしたり、他の教科や領域や総合的な学習で学んだことを生活科や社会科に生かして学んでいけるようにして、確かな力を身に付けることができるように工夫したいと考えている。

次の視点は、授業づくりのいわば羅針盤ともいうべきものである。

研究図3

(2)学び方を身に付けることができる。

学び方を身に付けることができるとは、一人ひとりの子どもにとって問題解決的な学習の進め方が分かり、それが身に付くようになっている授業のことを指している。

学習指導要領では、学んでいこうとする意欲、問題を見い出して追究・解決する能力、思考力、判断力、技能・表現力、知識・理解等をその単元で学ぶ基礎・基本として示している。これらの資質や能力を身に付けるために、問題を解決しようとする子ども自身の内発的な意欲から生まれ、膨らんでくる「問題意識」とその連続にこだわりたい。なぜなら、子どもの知的好奇心は未知のものを学ぼうとする意欲の原動力であり、学習の出発及び追究の過程におけるエネルギーになり得るからである。こうしたエネルギーが個性的な学びの確立につながるといえる。

本校では、問題に出会う学習の出発点にこだわりをもっている。そのこだわりとは、学習の出発点にどの子も立たせたいという願いである。「ねかせ」(問題意識の醸成)として取り組んでいる。

◆「ねかせ」(問題意識の醸成)

「ねかせ」は問題意識の醸成である。この考えの根底には、子どもは本来どの子も「知りたい」「やってみたい」と思う「夢」をもつ存在であるという子ども観がある。学習の対象との出会いにおいて、いきなりに問題や課題をもつのではなく、ある一定の期間、子どもがその対象に自分のぺ一スで「かかわる」段階を設けている。ある一定の期間、子どもの内に生まれた「気がかり」は、次第に「関心事」となって動き出してくる状態となり、その関心事が積み重なる中で、次第に「気がかり」が温められ、問題意識の芽が膨らんでくる。そのようなふつふつと問題意識が醸成されていく段階を「ねかせ」と呼んでいる。「ねかせ」の取り組みについては、内容についての「先行した調べ」「見学・調査」「活動」などがあり、日常の生活との接点が大きいという特色がある。くらしの中から、自分が集め、調べ、やったことが授業の出会いに生きるため、自分とのつながりが生まれる。そうすることによって、子どもの主体的な学習が可能となると考えている。

「ねかせ」は、このように、どの子も問題をつかむ段階において学習を身近に感じることができ、授業の入り口の出発点に立つことを可能にする。授業の出発点でのエネルギーは学習のその後の意欲にもつながる大きな原動力ともいえる。また、「ねかせ」から始まり「ねかせ」にかえることも大切にし、日常生活に関心をもつことや生活に生かす「生活化」「日常化」の意識がもてるような学習の終末段階も大切にしていこうと考えている。

◆学習過程を定め、問題解決の方法を身につける

学習過程を定め、その中に多様な学習活動の工夫をすることは「学び方」を重視する考えであり個性的な学びの確立につながる。その子なりの意欲のもとに、どのように学ぶかという「学習の方法」を身に付けることは、生活科においても社会科においても重要なことである。

例えば、社会の変化が一層激しくなるこれからの社会においては、子どもが学校のまわりの様子を探検し、身近な地域の特色を理解したとしても、今ある地域の特色は普遍とはいえない。自然の豊かな場所はもしかすると開発のため、家や他の建物に変わるかもしれない。土地利用も生産の仕組みも変わりゆく可能性がある。つまり、学校で学習した知識は変わりゆくという前提として考え、知識の量よりも知識を得る過程を大切にする考え方に重心を置くことは教科として大切な点といえる。「学び方、調べ方、作業的・体験的な学習、問題解決的な学習」などを重視して、子どもが自分で課題を解決できたという満足感や達成感を味わうことができるようにしていくことは、次の課題を解決する意欲となる。

研究図4

(3)学習に必要な技能・態度を身に付けることができる。

研究図5

この柱に基づく各小単元で身に付けるべき資質や能力を具体的な学習活動の中で獲得することができるように、指導計画を立てるようにしている。

また、社会科・生活科の学習においては、基本的な学力(読む力・書く力・話す力・聞く力)や一人で行動する力や集団(仲間)と行動できる力も学習を支える重要な能力・態度である。従って、これらの成長も目指すことができるように、学年ごとに姿を掲げている。

(4)自己を振り返り、生活に生かすことができる。

情報交換により、自分と他者の解決を比較したり、様々な表現にふれたりすることを通して再構成していけるようにする。集団での意見をもとに自分の考えや知識をもう一度とらえ直すことは多角的な見方や考え方を養い、的確な判断力を養い、学習に対する「よさ」を感得することにつながる。そのような学習を通り過ぎることにより、感じた「よさ」を自分自身の生活の中に見つけ・生かしていこうとする態度が育つと考える。

5.共生の学び

学習指導要領で目指す教育のキーワードとして「自己の確立」と「共生」が挙げられる。「自己の確立」は、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力の育成を指している。また、「共生」は自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心などを指している。「共生」は豊かな人間性の育成を重視した言葉とみることができる。

研究主題「学習の自立と共生」はこのような、学習指導要領の求める学びのあり方に向かっていこうとするものである。

生活科・社会科も「かかわり」を教科の側面としてもっている。人間性も社会性も、人とのかかわりによって確かに育つものであり、授業において積極的に取り組んでいく価値があると考えている。子どもたちは仲間と共に学び合う中で新しい自分を発見したり、仲間とのかかわりを通して「生かされている自分」に気付いたりすることがある。「自分は役に立っている」という気持ちはその子の心を開き、人を受容させ、更に自分を伸ばそうとする意志を育んでいく。「共生」の確立は、自立した学習を充実させ、「生きる力」を育てる重要な鍵になるといえる。

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