第3グラウンド

初めて阿蘇小を訪れる人からときどきこんな話を聞く。

「前庭に立派な木があるんですね。」

前庭?このような人たちはこれが運動場だとは思いもつかないらしく、校舎の裏に大きなグラウンドがあると思っているらしい。
しかし、ここがれっきとした本校の運動場で、運動会もここで開くのである。
もっとも直線コースは、運動場の対角線をとっても50メートルしかとれないのだが・・・。
一説によると、「阿蘇の子は走るときに左手に比べ右手を大きく振る。そして、コーナーを曲がるのがうまい。」と言われる。
半ば冗談だが、それは小さなトラックとコーナーの急なカーブに由来するものと思われる。

その狭さのせいか昭和60年に校舎の西側に校地を拡張し、「第2グラウンド」が使えるようになった。

私がこの学校に着任して数週間たったある日、
「先生第3グラウンドにへびがいたよ。」
「えっ?第3グラウンド?まだほかにグラウンドがあるの?」
「先生、知らないの?ブランコやシーソーがあるところだよ。」

思わず吹き出してしまったが、子どもたちは遊具のある一角を第3グラウンドと呼んでいたのである。

「第3グラウンド」まである阿蘇小。
実際とはかけ離れているがなんと響きのよい言葉なのだろう。

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